緒臣くんのキケンな誘惑。




どこかに行く用事もないのに、今私は鏡とにらめっこしながらメイクをしている。


んー……ラメ乗せたら可愛いかも。
唇の色はもう少し薄くしてもいいかなー……。


なんて、微調節をしながら真剣に鏡と向き合う。


「あ、今日上手くいった……!」


鏡に映る自分を見て、いつもより調子が良く感じて気分が上がる。

髪の毛も巻いてみようかなー……。


なんて思って、部屋から出て階段を下りる。
洗面所に向かおうとすると、洗面所にいたであろうお母さんとすれ違った。


「…どうしたの最近。用もないのにメイクしたりして」

「んー、可愛くなりたいなって」

「…ははーん。紫夕、彼氏でもできたの?」

「…っ、なに急に!」

「まあまあ、いいじゃない。可愛くなりたい気持ち私にもわかるわー」


茶化すように私の肩をポンっと叩くお母さんはそのままリビングに姿を消してしまった。
なんか腹立つ……!!