ガタッと席を立って廊下に出る。
行ってくるとは言ったものの……あれはどうすればいいの?
と微妙に近づきながら人混みを見て思う。
少し近づくとその中心に緒臣くんの姿を見つけて、あ!っとなった。
「緒臣くん、これ貰ってほしい……!!」
「私のを……!!」
と近くで緒臣くんに渡そうとしているカップケーキには、可愛らしくラッピングがしてあって。
自分のカップケーキに目を落とす。
私は……ただ普通に透明の袋に入ってるだけだけど……。
でも、でも……っ、緒臣くんは、私のだから……!!
そう思った瞬間、私は人混みに近づいて、
「…っ、緒臣くん!」
と遠くから緒臣くんの名前を叫んだ。
女の子達が多すぎて近づけないけど……聞こえて……!!
すると、緒臣くんはパッと顔を上げて私の方を見て。
…っ!気づいてくれ……た!?
「紫夕……!」
私と目が合った緒臣くんは、さっきまでの強ばった表情とは変わって嬉しそうに柔らかく笑って。
その笑顔に思わず心臓がドキッと大きく脈打つ。

