「天沢くんのファンの子達が、作ったものあげようと天沢くんを囲んでるんだよ。それが戦争」
「……っえぇ!?」
「差し入れだとかなんとか言ってさ。可愛くラッピングしてるんだよわざわざ」
「そうなんだ……」
「ま、受け取ったことないみたいだけど」
そう言って次は牛乳と卵を混ぜ始める愛海。
そんなことがあったんだ……全然知らなかった。
「でも謎。いくら紫夕のことずっと好きでも、なんでそこまでして頑なに受け取らないんだろうなって。まあ普通に考えたら凄い一途な男に見えるけど……女子にずっと冷たかったから一途なだけじゃないんだろうね」
「……うん」
「この差し入れ戦争は紫夕と高校で出会う前からの話だし余計謎。女子に追い回されるよりもサッと受け取った方が楽だな私だったら」
「……確かに、私もそうかも」
でも……緒臣くんは、それも無理だったんだよなあ。
女嫌いで、相当苦しんできたはずだから……。
と、声に出そうになるのを必死に心の中に留める。

