緒臣くんのキケンな誘惑。




「緒臣くんは……変わったね」

「うん、そうだね。俺はあの時から、紫夕を守れるぐらい強くなるって決めてたから」

「…っ、まって!この間言ってた、小学校の時に緒臣くんを庇ってくれた子って……!」

「紫夕のことだよ」


そう話しながら急にハッとして緒臣くんの腕の中で顔を上げると、私を見つめる緒臣くんはふっと笑って。

『……俺を庇ってくれた子がね、小学生の頃に一人いたんだ』

この発言を思い出す。
これって、私のことだったの……っ!?


頭の中が軽くパニックになってグルグルしている。

ていうか……緒臣くん、私に気づいてた素振りなかったよね……!?
そう思って保健室に運んでもらった日のことを思い出すと、ひとつだけ引っかかることがあった。

私が生理痛で倒れる直前、前から緒臣くんが来てて……緒臣くんはなにか叫んでて……。

『…──ゆ……っ!』

ゆ、ってなんだろうって思ってたけど……まさか、"しゆ"……?