緒臣くんのキケンな誘惑。




「…ていうか、よく緒臣くんと仲良くなれましたね」

「あー俺と緒臣境遇似すぎてて通じあっちゃったんだよね」

「境遇……?」

「え?うん……だって、緒臣って────」


紫月先輩の言葉に、どういうことだろう……と首を傾げる。
そんな私に紫月先輩も、え?っていう表情をして何かを言いかけた時。


「…っ、わ」


急に、後ろから両耳を塞がれて驚いて声を出してしまった。
な、なに……?聞こえないよ……!

両耳を誰かの手で塞がれてるから首ごと後ろを向けなくて、上を向くと。


「〜〜〜」

「緒臣くん……?」


そこには、紫月先輩の方を見ながらなにか話している緒臣くんの姿があった。

強く耳を塞がれてる訳ではないから、周りの音が聞こえないわけではないけど……緒臣くんがなんて言ってるのかはわからない。


すると緒臣くんは下を向いて私と目を合わせて、優しく微笑んだ。

……っ、朝から心臓に悪い笑顔だ……っ!