緒臣くんのキケンな誘惑。





千夏ちゃんの焦る声に、呑気に返す紫月先輩。

な、何が起こってるんだ……私は邪魔かな……?
そう思って離れようかと思ったと同時に、紫月先輩が私を見て笑った。


「おはよう紫夕」

「あ、おはようございます……!」

「なんでこの状況で挨拶できるのよ…!」


紫月先輩からの挨拶に返すと、千夏ちゃんは顔を真っ赤にしながらツッコミを入れた。


「千夏顔真っ赤だね」

「な…っ!!わざわざ言うなバカ……!!」

「俺の事意識してくれてんだ?」

「〜〜っ」


すると千夏ちゃんは恥ずかしさに耐えられなくなったのか、あーもう!と言って勢いよく紫月先輩の腕から抜け出して。


「あれ、千夏?」

「さようなら!」

「…あーあ、逃げられちゃった」


そのまま私達に背を向けて走って行ってしまった。

取り残された私は紫月先輩の方をまじまじと見てしまう。