緒臣くんのキケンな誘惑。




緒臣くん心臓に悪い……っ!!
私が照れるって分かってて言うんだから、ずるい人だ。


「…か、かっこいい?私が?」

「こないだだって、男相手に立ち向かってくれたのかっこよかったし。紫夕のこと守りたいのに逆に守られちゃってるよ」

「そ、そんなことないよ……!?」

「そんなことある。俺にとって紫夕はヒーローみたいなんだよ」

「……っ、え」


緒臣くんの発したヒーローという言葉にドクンと大きく心臓が高鳴ると、緊張しだしたかのようにバクバク心音が速くなっていく。

な、なに……?なんか……既視感が。

お昼の時紫月先輩がヒーローって言った時はなんとも思わなかったのに。
緒臣くんの発したヒーローは……すごく、聞き覚えのある響きに聞こえた。

『しゆちゃんは……ヒーローみたいだよ』

朝見たみーちゃんの夢の内容。
確か、この後は……。


「俺が紫夕のヒーローになりたいのにね」

「……っ!!」


『しゆちゃんのヒーローになれるようにがんばる』