「…紫夕はずっと綺麗って言ってくれるね」
「え?うん!かっこいいんだけど……綺麗の方が似合うなって」
実際、第一印象は綺麗な人だった。
私の発言にしばらく固まった緒臣くんは、突然本当に嬉しそうな顔を浮かべて声を出して笑い始めた。
「あはは……っ、ほんと、紫夕は紫夕だね」
「え?うん……?どういう意味なのそれ」
「ううん、こっちの話」
「えー?」
紫夕は紫夕って当たり前だけど……見方変えれば悪口じゃないか?と思って、どういう意味か聞いてみたけどはぐらかされてしまった。
「俺は紫夕のこと可愛いって思ってるよ。可愛くて、かっこいいって」
「…っ、え?!なに急に……っ!」
「なにって……綺麗って言ってくれたお返しだけど」
急な発言に、もし今ここで飲み物飲んでたら全部口から出てた勢いで驚いてしまった。
全身が照れたように熱くなってるのを感じる。

