緒臣くんのキケンな誘惑。




音寧と愛海に取り残された〜と言うかのような表情をする芹奈に私はそう言って歩き出す。
四組まだ終わらなそうだし。


「てか、天沢くんと紫夕って家同じ方面なんだよね?」

「うん一緒!」

「私達の小学校と意外と近かったりして」

「…確かに」


芹奈の言葉に、今まで考えたことなかったなと感じる。
芹奈も私も、小学校で緒臣くんの名前は聞いたことないから同じ小学校ではないけど。

通ってた小学校の近くにもう一校あったし。


「ま、今日も仲良く二人でお帰りくださいよ」

「ちょ、変な言い方しないで……!」

「じゃ、バイバイまた明日!」

「逃げ足速…っ!?バイバイ…!」


逃げるように手を振って玄関を出ていく芹奈を見て、思わず笑いが溢れてしまう。

……ここで緒臣くん待ってようかな。

わざわざ戻るのも……と思った私はそのまま壁に寄りかかって緒臣くんを待つことにした。