緒臣くんのキケンな誘惑。





余計私の心臓がうるさくなるでしょーが!!!

もー!と怒ったようにぷいっと顔を逸らしてみると、横から楽しそうな笑い声がして、緒臣くんには敵わないと察した。


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五時間目が終わり、ザワザワと騒がしくなる教室。

疲れた……あと一時間……!
疲れて伸びをしながら、ふうを息を吐くと。


「音葉、ちょっといいか」

「え?」


さっきの授業だった、担任の先生が私の名前を呼んでガタッと立ち上がる。

なに……?


「なんですか?」

「国語係だったよな?国語の先生から伝言なんだが、『放課後に新しい教材をまとめてほしい』そうだ」

「…はい?」

「放課後俺のところに来てくれ」

「え、いや、ちょっと……」

「よろしく頼んだ!」


えええええ……っ!!!
まってよ先生……!!私まだ何も言ってないんですけど!?

嫌そうな顔をする私を見ないように爽やかな笑顔を浮かべて教室を出て行ってしまって。

どうしよう、緒臣くんと帰る予定だったのに……!