そう言った音寧に何も言い返せなくて言葉が詰まってしまう。
「まあ紫夕の身長が低いのも男子が怖く見える原因だろうね」
「…身長気にしてるんだから言わないで」
「かわいいね〜紫夕はそのままでいいよ〜」
「もう!さよーなら!二人とも席戻って!散れー!」
芹奈と音寧にからかわれてわざとらしく怒った顔をしながら二人の背中を押して席に戻す。
私の前の席に座る愛海が静かにお腹抱えてツボっているのを見て軽く頭にチョップした。
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ボーッと過ごしていたらあっという間に放課後になって、スクールバッグを手に持つ。
「ばいばい紫夕」
「愛海ばいばーい!」
電車の時間があるらしく、急いで教室を出ていった愛海を見送る。
私も帰ろっかな。
そう思って少し遠くにいる芹奈と音寧に手を振って教室を出た。
人混みを避けながら廊下を通る。

