魅惑の絶対君主



相楽さんも絶対気づいてたよね。

どうして教えてくれなかったんだろう。

いや、指摘されたらされたで恥ずかしいけど……。


そう思いながら、再度鏡を見て寝癖の具合を確かめる。


うん。まだちょっとうねってる感じはあるけど、だいたい直ったかな。


──と、そのとき、鏡の中の自分の異変に気づいた。


首に何か巻かれている。


これ……チョーカー?


ピンクベージュのそれは肌に馴染んでいてあんまり目立たないけど、

触ってみるとわりと丈夫な生地でできていて、簡単に引きちぎることはできなさそうだった。


真ん中のチャームには鍵穴がついている。


可愛い……とうっとりした直後、ハッとする。


もしかして、これが……。



「相楽さん……!」