魅惑の絶対君主



「っ、さ……がら……さん」


その切ない声がまさか自分のものだとも気づかないまま、相楽さんの腕に縋るように抱きついた。



「抱きついちゃうの可愛いけど、ちゃんと言わなきゃわかんねぇよ?」

「……、ぅ……」



そんな恥ずかしいこと……言えるわけない。


でも、焦らされて焦らされて、このままだと気がおかしくなりそう……。


気づけば相楽さんの手のひらに自分のを重ねて、その部分に誘導してしまっていた。



すぐそばで小さく笑う気配がする。



「こんなこと、誰に教わったの」



そう言いながら指先に力を込められれば、じわりと気持ちよさが広がった。



「口で言うのはできなかったけど、可愛かったから特別」

「ひぁ、……んっ」



甘さに呑まれながら、ああ……理性が溶けるって、きっとこういうことなんだろうな。

生まれて初めて理解できた気がした。


──そのとき。



「よかった。思ったより高く売れそうだ」