魅惑の絶対君主



相楽さんがこういうことをするのは、わたしが『全然余裕です』なんて言ってしまったせいだと思った。


だから、初めてだってことを白状すればやめてくれると思った。


思った、のに……。




「へえ。初めてなのにこんなに気持ちよくなれるんだ」



相楽さんは、さらにわたしの体を引き寄せる。

いつの間にか、後ろから抱きしめられる格好になっていた。



「もう自分の好きなところ覚えたでしょ」



耳元で囁かれるたびに、毒が回るかのごとく思考が鈍っていく。



「触ってくださいって、ちゃんと言える?」



この人は、どこまでわたしの羞恥心を煽れば気が済むんだろう。

ほっぺたがチリチリ焼けるように熱い。



指先はすごく弱い力で焦らすように周辺をなぞるだけ。


だめ……、だめだよ、これ以上は。


頭ではそう思うのに、どうしてだめなのかすらすぐにわからなくなってきて。