「さっき、“そんなの全然余裕”……って聞こえたけど」
「っ……」
「余裕なら、俺の相手もできないとおかしいよな」
「そ、れは……」
相楽さんの声、ちょっとだけ低くなった気がする。
響きも、ちょっとだけ荒くなった気がする。
「お前の好きなところ、どこ? 触ってやるから言えよ」
「や、……」
「言えない? それともわかんない?」
「……、……」
指先が動くたびにに唇を噛むけど、わたしの反応を確かめるように弄ぶから。
次第に息が、乱れて……。
「じゃあ、ここは?」
「〜〜っ、ゃ、ぁ…っ!」
刹那、びりっと電流が流れたみたいになって、一瞬視界が真っ白くなって。
さっきまで堪えられていたはずの声が零れてしまった。
ばくばくっ、と不整脈のごとく心臓が暴れる。
え……?
わたし、今……。



