魅惑の絶対君主




「今日連れていった場所で何が行われてたのか、説明できる?」

「はい……。オークション、ですよね。商品として出された女の子を、お客さんが落札するっていう……」


「そうだね。じゃあ落札された女は、今度どんな生活を送ることになるでしょうか」

「え……っと」



数時間前の光景を呼び覚ます。

可憐な女の子だった。

お客さんがどういった方々なのかは存じ上げないけど、1億という額を易々と提示できるんだから、かなりのお金持ちであることは間違いない。


お金持ちが、生身の人間を買う理由……──。




「若い女を買う目的は客によって様々だけど、“屋敷の使用人”という名目が一番多い」


「使用人……。メイドさんみたいな感じですか?」


「あくまで名目上は、ね。使用人といっても名ばかり。実際は愛人や愛玩具にされるのがほとんど」