魅惑の絶対君主



間もなく視界を塞がれ、体が宙に浮いた。


「事務所に運べ」


瞬時に状況を把握した。



相楽さんに逃してもらったあと、わたしはずっと事務所の人に探されていたんだ。


高校はバレてたはずだけど……今まで捕まらなかったのは、人目があったからかもしれない。


レオくんのアパートも人口密集地の一角にあるし……。



なんて、そんな冷静に推測している場合じゃない。



せっかく相楽さんが逃してくれたのに。

ここで捕まったら、また迷惑を掛けちゃう……っ。



「おい暴れるな! じっとしろ!」


怒鳴られて身が縮まった。

もうだめ、だ……。



涙が滲んだそのとき。



「その女……俺に貸してください」


わたしの鼓膜を揺らしたのは……ひどく、懐かしい声──────。