魅惑の絶対君主

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担任の先生には、お母さんは体調が悪いのでこれませんとあらかじめ伝えておいたから、
相楽さんが現れてもびっくりされることはなかった。


先生は、相楽さんがわたしの親戚だと疑いもせずに、

いつもよりワントーン高い声でわたしの成績について話していた。



「冬亜さんはどの教科もまんべんなく平均点を取るので、逆にすごいですよ……!」



満面の笑みでそんなことを言われるから、恥ずかしさのあまり消えちゃいたくなりながらも、なんとか無事に終了し。



「冬亜ってすごい天才だったんだね」


と、帰りの車で相楽さんにからかわれた。



「どれが得意でも不得意でもないので、テスト前に全部まんべんなく頑張った結果いつもまんべんなく平均点になります……」


静かな車内に相楽さんの笑い声が響く。


なんだか今日……いつにも増してご機嫌?


可愛い子から、連絡先もらったから、かな……。