相楽さんが、見たこともない人当たりのいい笑顔でそう言った。



「あ、はい……どうも」


みんなの視線を一気に受け止めながら、そんな返事が口をついて出る。


“親戚のお兄さん”への対応の仕方、ぜんぜんわかんないよ……。



「えっ、お兄さん、冬亜ちゃんの保護者さんなんですか?」

「若〜い! イケメン〜!!」

「よかったら連絡先交換してくださいよー」



今から三者面談なのに、女の子たちが相楽さんを離してくれない。


ていうか、みんないつもわたしのこと“鈴木さん”って呼ぶのに、こんなときだけ“冬亜ちゃん”ちゃんって……。

普段からそう呼んでくれたらいいのに……。


ちょっと、もやもや……。


相楽さんがその子達の腕をやんわり解きながらわたしのほうに歩いてくる。


そんなとき。



「あのっ、これ私のインスタのidです! よかったら連絡待ってますねっ」