魅惑の絶対君主



『相楽の会社のもんだ。空けてくれ』


その声に、急いでモニターをオンにする。


「……っ」


そこには見知らぬ男性と、その人の背中にぐったりと担がれている相楽さんが映っていた。


急いで玄関に走りロックを解除をすると、彼は無言で中にあがり込んできて。



「寝室は」


と聞くので、


「こっちです……」


おそるおそるながら案内する。


40代くらいに見えるその人は、ベッドに向かって乱暴に相楽さんを投げた。


そしてすぐに部屋を出ていこうとするので、思わず追いかける。



「あのっ、相楽さんはどうしたんですか……っ?」


ぎろっと睨まれるけど、怯んじゃいられない。



「教えてください、お願いします……!」

「事務所でぶっ倒れやがったんだよ。過労だと」


「過労……」

「点滴打ったあと眠剤飲ませて今は強制的に眠らせてる」


「そう、ですか……」