魅惑の絶対君主



そういえば、土曜日のお昼だけ対面で受け取っていることを、相楽さんにまだ言えてない。


土曜のお昼はいつも仕事でいないから、タイミングを逃しちゃうんだよね……。



「ごちそうさまでした」


今日もひとり、ダイニングのテーブルの上で手を合わせる。


時刻は夜の9時半を回ったところ。

考えごとをしていたせいか、食べ終わるのに少し時間がかかってしまった。



相楽さん、もうすぐ帰ってくる頃かなあ……。


だけど、それから一時間経っても二時間経っても、玄関のドアが開くことはなく。

課題を片付けながら、だんだんと不安になってきた。



0時を過ぎて、とりあえず布団に入ったはいいものの眠れない。


残業かな……。

放課後マンションに送ってくれたときは、特に何も言ってなかったけど……。



夜の9時を過ぎることはざらにあったけど、この時間まで一度も帰ってこないのは初めてだった。