「さすがです、愛理嬢。俺の考えていることを全て言ってくれた。糾弾するつもりはありません。誰につくかは己で決めていい。俺にとって一番重要なのは俺についていないことではなく、琴理の相手に俺より叔父を考えている所です。それは俺を認めていない――と思うか? 愛理嬢」
心護は再び愛理に回答を求める。
「母様におかれては、認めていないのではなくほかに理由があるのでしょう。父様がそれを止めていなかったことにも。わたくしは宮旭日様に欠片も興味がありませんので気にすることではありませんが。むしろ姉様が解放されるならこっそり手助けもしたいところですが、宮旭日淋里様がお相手ならば快く送り出せるというわけではございません」
つまり花園の両親は、淋里側ということか? 娘を心護の許嫁にしておいて?
「ほ、本当、ですか……? 母様……」
「………」
感情の揺れもなく話した愛理の話に混乱するも、琴理はやっと母の方を見られた。
母はうつむき、膝の上のこぶしは握りしめられている。
「心護様――」
心護に何か言おうとした父を、母が少しだけ手を挙げて制した。
「蘭可(らんか)……」
「……わたくしどもは、淋里様を跡継ぎに、と望んでいるわけではありません」
「では、何故」
こくり、と母の喉が動く。
「……私が愛理を妊娠中にあったこと、心護様は御存知ですか?」



