「え? そうですね。風子ちゃんは愛理が小さいときから傍にいてくれますから、ねえ?」
琴理がベッドのふちに座って愛理に話を向けると、愛理は「はい!」と答えた。
「風子ちゃんはわたくしのもうひとりのお姉様のような存在です。もちろん姉様がわたくしの一番のお姉様ですけど」
相好を崩して自慢する愛理に、涙子も微笑み返した。
「仲良し姉妹さまなのですね」
「はいっ」
愛理が満面の笑みで琴理の腕を抱き着いた。
「愛理、少し横になりなさい。父様と母様が戻られたらまたお話しましょう」
「はーい」
琴理に言われて、愛理は反発せずに布団にもぐった。
ちょこんと出した顔に、不安げな様子が見える。
「姉様……」
細い声で愛理が呼ぶと、琴理は穏やかな様子で応じた。
「なんです?」
「わたくしが寝てしまっても、ここにいてくださいますか……?」
「いますよ。父様と母様が戻っていらしたら起こすから、心配せずに寝なさい」
「ありがとうございます」
愛理はふふっとほほ笑むと、そのまますうっと寝入ってしまった。
愛理の布団の首元を整える琴理を見て、涙子は微笑ましい気持ちになる。



