「ねえ、聞いてもいい?」
凛をソファに座らせると、航は床にひざまずき、真剣な顔で切り出した。
「俺のマンションを出たあと、木原のところには行かずにマンスリーマンションに移ったんだね?」
凛はコクリと頷く。
「場所はどの辺り?会社へはどれくらいで着くの?」
「えっと、2時間もあれば着きます」
2時間?!と航は目を丸くしてからため息をつく。
「実家へは変わらず毎月20万仕送りしてるんだね?それで仕事を増やした」
凛はまた黙って頷く。
「だからこんなにも痩せて、体調も崩したんだね」
「いえ、アルバイトはそんなに負担ではありません。日曜日は一日オフですし、無理なくやっていました。ただ、最近少し考えることが多くて、なかなか寝つけなくて…。睡眠不足だったのは事実です」
「考えること?何か悩んでたの?あ!ひょっとしてMoonlightのデザインのことで…」
「いえ、そうではなく。実は課長から打診されたんです。正社員にならないかって」
「正社員?うちの会社の?」
「はい。それでどうしようかと色々考えていて…。そろそろお返事をしなくてはいけないのですが、まだ迷ってます」
思いもよらぬ話に、航は視線を外して思案する。
「悩んでるのは、具体的にどんなこと?」
「はい。私がこんな大企業の正社員なんて、本当にやっていけるのかどうか。ご迷惑になるだけかもしれません。それに副業のアルバイトは辞めなければいけなくなるので、アルバイト先のご夫婦に申し訳なくて…。だけど、正社員になれば実家への仕送りも増やせるし、妹も塾や私立大学へ通わせられます。それでどうしようかと」
話を聞き終えると、航は大きく息を吐く。
「君はどうしてそう周りのことばかり考えるの?君が幸せにならなければ、周りの人も幸せになれないんだよ?」
「私が、幸せに?」
「ああ、そうだ。みんな君の幸せを願ってるに違いない。君が幸せになることが、一番みんなを幸せにするんだ。君のお母さんや妹さん、アルバイト先のご夫婦もね」
凛は視線を落として考える。
(私の幸せってなんだろう?)
そんな凛の頭に手を置いて、航は顔を覗き込む。
「いい?もっと自分を大切にするんだよ?それに何かあったらいつでも俺を頼って欲しい。迷惑なんかじゃない。俺が君にそうしたいから」
分かった?と見つめられ、凛はゆっくりと頷いた。
凛をソファに座らせると、航は床にひざまずき、真剣な顔で切り出した。
「俺のマンションを出たあと、木原のところには行かずにマンスリーマンションに移ったんだね?」
凛はコクリと頷く。
「場所はどの辺り?会社へはどれくらいで着くの?」
「えっと、2時間もあれば着きます」
2時間?!と航は目を丸くしてからため息をつく。
「実家へは変わらず毎月20万仕送りしてるんだね?それで仕事を増やした」
凛はまた黙って頷く。
「だからこんなにも痩せて、体調も崩したんだね」
「いえ、アルバイトはそんなに負担ではありません。日曜日は一日オフですし、無理なくやっていました。ただ、最近少し考えることが多くて、なかなか寝つけなくて…。睡眠不足だったのは事実です」
「考えること?何か悩んでたの?あ!ひょっとしてMoonlightのデザインのことで…」
「いえ、そうではなく。実は課長から打診されたんです。正社員にならないかって」
「正社員?うちの会社の?」
「はい。それでどうしようかと色々考えていて…。そろそろお返事をしなくてはいけないのですが、まだ迷ってます」
思いもよらぬ話に、航は視線を外して思案する。
「悩んでるのは、具体的にどんなこと?」
「はい。私がこんな大企業の正社員なんて、本当にやっていけるのかどうか。ご迷惑になるだけかもしれません。それに副業のアルバイトは辞めなければいけなくなるので、アルバイト先のご夫婦に申し訳なくて…。だけど、正社員になれば実家への仕送りも増やせるし、妹も塾や私立大学へ通わせられます。それでどうしようかと」
話を聞き終えると、航は大きく息を吐く。
「君はどうしてそう周りのことばかり考えるの?君が幸せにならなければ、周りの人も幸せになれないんだよ?」
「私が、幸せに?」
「ああ、そうだ。みんな君の幸せを願ってるに違いない。君が幸せになることが、一番みんなを幸せにするんだ。君のお母さんや妹さん、アルバイト先のご夫婦もね」
凛は視線を落として考える。
(私の幸せってなんだろう?)
そんな凛の頭に手を置いて、航は顔を覗き込む。
「いい?もっと自分を大切にするんだよ?それに何かあったらいつでも俺を頼って欲しい。迷惑なんかじゃない。俺が君にそうしたいから」
分かった?と見つめられ、凛はゆっくりと頷いた。



