(うーん…。月の女神、メイク、変身、美しさ、輝き、あとは何だろう。大人の魅力、別の顔、神秘的…?)

デスクにノートを広げて、凛は思いつくままキーワードを書いていく。

キャッチャコピーは、広告にとって大きな要だ。

短い言葉で商品の魅力を伝え、グッと人々の心を掴むものでなければならない。

いくらデザインが良くても、添えられた言葉が安っぽければその良さを台無しにしてしまう。

デザインを生かすも殺すもキャッチコピー次第だと凛は思っていた。

クリエイティブ部のフロアに何度も足を運び、コピーライター達と一緒に言葉を練り直す。

実際にデザインに入れ込んでみて、雰囲気に合うかどうかも確かめていった。

「んー、先方に提案するのはこの3点かな」

航がそう言うと、皆も頷く。

最終的に3つの案に絞り、3種類のデザイン画を持って、凛と航はまたMoonlightを訪れることにした。