君との恋のエトセトラ

「いらっしゃいませ!」

早速翌日から弁当屋で働き始めた凛は、常連客達に次々と驚かれる。

「おっ?(たえ)さん。誰?このかわい子ちゃん」
「うふふー、うちの娘」
「そんな訳ないでしょうよー。だってこの子、可愛いもん」
「ちょっとそれどういう意味よ?」

妙と勝治(かつじ)という夫婦が営む小さなこの弁当屋は、一人暮らしの男性が仕事帰りに立ち寄ることが多いらしい。

皆、妙さん、勝さんと気軽に声をかけて弁当を一つ買っていく。

ボリューム満点で栄養バランスも考えられた弁当は、野菜や副菜も多く身体にも良さそうだ。

どれもワンコインの500円という低価格なのも、皆から愛される理由の一つだろう。

客足が途切れない忙しさに必死に対応していると、あっという間に22時になった。

「凛ちゃん、お疲れ様!ゆっくり休んでね。はい、お弁当」
「ありがとうございます!それでは失礼します」
「はーい。気をつけて帰ってね」

身体はクタクタだったが、凛は気持ちも明るく笑顔で店を出た。