「どうしよう、本当にいいのかな?」

マンスリーマンションの部屋に帰ってくると、カフェでの話を思い出し、凛はしばし呆然としてしまう。

「河合さんのマンションに住み込みでハウスキーピング…。うーん、すごくいいお話よね。それならお母さんと杏に毎月20万渡せるし。でも、本当にいいのかしら」

返事はしばらく考えてからでもいいよ、と言われて、凛はひと晩考えさせてもらうことにした。
だが考えれば考えるほど、こんな良い話はないと思えてくる。

「お願いしようかな。図々しいけど、精一杯ハウスキーピングを頑張れば許してもらえるかもしれない」

自分の力量で本当に大丈夫かどうか、もう一度確認してから返事をしようと、凛は気持ちを固めた。