「あー、やっぱり今月も航の独壇場かよ」
5月最終日に、凛はまた飲み会に参加していた。
毎月恒例の月末の飲み会は、お疲れ様と労い合うのが半分、愚痴のこぼし合いが半分…というのが実情らしい。
凛は皆の様子を見ながら、一人一人に声をかけてピールを注いで回った。
「お疲れ様でした」
「ありがとう、凛ちゃん。あー、今月は俺、トップの成績で凛ちゃんにいいとこ見せたくて頑張ったのになー」
皆はグビグビと一気にピールを飲み干して、俺もだよーと口々に愚痴をこぼす。
「航。お前、どうやったらいつもそんなに契約取れるんだ?」
酔いの回った木原が、航の肩に手を置いて問い詰める。
「ん?特にこれと言って何も…」
「なんだよ、それー!そんな訳あるかよ」
「いや、ほんとにないよ。強いて言うなら、まあ、相手をよく観察することくらいかな?」
「観察?」
「ああ。口では良いですねって言ってても、表情にチラッと怪訝そうな感じが表れていたり、広告は必要ないですって言ってても、なんとなく気持ちがこもってなかったり。そこをさり気なく掘り下げてヒヤリングするんだ。そうすると、腹を割って話してくれることもある。実は予算が気になっていて、もう少し安く抑えられるならお願いしたい、とか」
へえーと、いつの間にか真剣に耳を傾けていた皆が頷く。
「もちろん、いい方向に転がらないこともあるけどね。そういう時は、何が原因なのかを追求して次に活かす。その繰り返しかな」
「ふーん…、なるほど。だからお前は女にもモテるんだな」
は?!と航は呆気に取られる。
「木原、何の話だよ?」
「だってお前は、相手の気持ちを読むのに長けてる。それって女心が分かるってことだろ?」
「いや、女心なんて俺にも分からん」
「そうなのか?でもクライアントの女性社員に、いつも言い寄られてるだろ。あ!もしやお前、枕営業で契約を…」
「バカ!そんな訳あるか」
ほら、もう酔っ払いは席に戻れ、と航は木原を促した。
5月最終日に、凛はまた飲み会に参加していた。
毎月恒例の月末の飲み会は、お疲れ様と労い合うのが半分、愚痴のこぼし合いが半分…というのが実情らしい。
凛は皆の様子を見ながら、一人一人に声をかけてピールを注いで回った。
「お疲れ様でした」
「ありがとう、凛ちゃん。あー、今月は俺、トップの成績で凛ちゃんにいいとこ見せたくて頑張ったのになー」
皆はグビグビと一気にピールを飲み干して、俺もだよーと口々に愚痴をこぼす。
「航。お前、どうやったらいつもそんなに契約取れるんだ?」
酔いの回った木原が、航の肩に手を置いて問い詰める。
「ん?特にこれと言って何も…」
「なんだよ、それー!そんな訳あるかよ」
「いや、ほんとにないよ。強いて言うなら、まあ、相手をよく観察することくらいかな?」
「観察?」
「ああ。口では良いですねって言ってても、表情にチラッと怪訝そうな感じが表れていたり、広告は必要ないですって言ってても、なんとなく気持ちがこもってなかったり。そこをさり気なく掘り下げてヒヤリングするんだ。そうすると、腹を割って話してくれることもある。実は予算が気になっていて、もう少し安く抑えられるならお願いしたい、とか」
へえーと、いつの間にか真剣に耳を傾けていた皆が頷く。
「もちろん、いい方向に転がらないこともあるけどね。そういう時は、何が原因なのかを追求して次に活かす。その繰り返しかな」
「ふーん…、なるほど。だからお前は女にもモテるんだな」
は?!と航は呆気に取られる。
「木原、何の話だよ?」
「だってお前は、相手の気持ちを読むのに長けてる。それって女心が分かるってことだろ?」
「いや、女心なんて俺にも分からん」
「そうなのか?でもクライアントの女性社員に、いつも言い寄られてるだろ。あ!もしやお前、枕営業で契約を…」
「バカ!そんな訳あるか」
ほら、もう酔っ払いは席に戻れ、と航は木原を促した。



