君との恋のエトセトラ

1階のダイニングに行くと、杏と航が楽しそうに話していた。

「ええー?航さん、彼女いないんですか?嘘だー」
「ほんとだけど、なんか傷つくな。いないと変?」
「変ですよ!イケメンの横には美女。それが私の憧れの東京のイメージです」
「そうなんだ。でも俺、別にイケメンじゃないから彼女いなくても不思議じゃないでしょ?」
「ええー?!航さんがイケメンじゃないなら、誰がイケメンなの?」
「そんなのゴロゴロいるよ。杏ちゃんこそ、可愛いのに彼氏いないの?」
「いませんよー。と言うか、そもそも男の子がいません。いるのは、生まれた頃からひとまとめに育てられた幼馴染くらいかな?」
「へえー、その幼馴染の子は?彼氏じゃないの?」
「ないない、ありえなーい!だってジャガイモと同じ顔してるんですよ?夜に見かけたら、あれ?ジャガイモが歩いてる?って思っちゃうくらい芋男子」

あはは!と航は声を上げて笑う。

「芋男子か。じゃあ芋っ子も幻じゃなかったんだな」

そしてふと視線を上げて凛に気づいた。

「どうだった?お母さんの具合は」

凛は近づいて杏の隣の椅子に座る。

「もうすっかり落ち着いたみたいです。会話も普通に出来ますし。あとでおかゆを持っていこうと思います」
「そう、良かった」
「杏、私これから笠原先生のところに行ってご挨拶してくるね。帰りに食材も買ってくるから」

そう言うと航も立ち上がる。

「車で送るよ」

凛はありがたく送ってもらうことにした。