「そっちの話題の方が週刊誌や世間が飛び付くんじゃないの?」
「あぁ無理だね。今まで彼氏彼女居たことが無いって芸能人、年齢一桁の子役以外で見たことないね。今更純情売りなんて古いし、恋愛禁止のルールあった所で誰も守らないよ。」


私にしたらどの芸能人も知らないし、好きな人に彼女が居たことがある過去の方が気になるけど、皆そういうの気にしないもの?

恋愛偏差値低すぎて全く想像がつかず、正座をしてお弁当を食べていた足を崩す。


「ちょっとこっち来いよ。」
「何?」


黒川君の細長い人差し指が長い足と足の間を指し、ここに座れと指示をする。


「えー嫌だなぁ。」
「本っっ当に俺の人生でお前だけだぞ?本気で嫌な顔して拒否する奴って。」


普通に考えて足と足の間に入って、私の身体の向きは前が正解?後ろが正解?
向かい合う意味もわからない。近すぎる。
私の背中を近くで見せる理由がわからない、意味不明過ぎる。

「先ず来いって。教えるから。」

手招きをする黒川君に、本気で面倒臭いし良いことなんて1つも無さそうな結果に嫌々立ち上がる。

とりあえず呼ばれた私が、足と足の間に直立不動、なんなら腕も組んでなんですか?と仁王立ち。


「座って。」
「どっちに?」

私も黒川君同じように人差し指を使って、私の向きは左?右?と確認する。