「ちょ…何をおっしゃってるのか…。」
「あれ?やっぱり嬉しい?秀紀さんやっぱりダメじゃね?」
「う~ん…もう少し…。」
「く、黒川君?そこのおじ…お兄さんも。」
「えっ!?秀紀さんにもやられちゃった感じ?もう全然ダメじゃ~ん。」
「まぁ無理もないよな。俺と瑠色二人揃うとな。」
「わかり~。でも俺の方がオーラ出てっけど~?」
「俺の20年前はもっと出てたわ。」
「「アハハハハ。」」

と、勝手に盛り上がって私を置いてそのまま歩道を歩き出してしまったので





「おい!聞けよ!馬鹿&爺!」


と、つい男二人を呼び止めてしまったと同時に


「今までのあんたらの会話で察したけど、イケメンなのはわかる!私でもわかる!!でもそれ以外の事は一ミリも理解出来ないし、知りたくもないし、興味もない。むしろそのあったかそうな上着とダウンジャケット着ているあんたらの目の前で、寒そうに半ズボンのサンダル女が目の前にいて心配もしてくれない男にオーラ?上着の一つも貸そうとしない男がイケメン?何それ美味しいの?たーべーらーれーまーすーかっ?」


と、座っていたベンチから実は割りと距離があった男二人に近付いて、片っ方のサンダルが脱げても興奮治まらず、大声を上げてしまった。


突然の事に黒川君と男は呆然。
そして、我にかえった私も呆然。

車も走らない閑静な住宅街にある、電灯しか明かりがない暗い公園内で私の声がどれだけ響いてしまったのか。

私の声に反応して遠くで犬が吠えている。