「え、1位、天海くんじゃないの!?」
「嘘……1位、フウキさん?」
テストが無事終わり、全教科の返却から数日。
廊下に張り出された、学年の成績上位30名の名前。
その表の前には、結果を確認しようと集まった生徒たちの人だかり。
私もその中に混ざって、自分の名前を探していたのだけれど――。
「……1位」
掲示された名前を、もう一度目で追う。
目をこすって何度、確認しても、一番上にあるのは――。
西木 月雨
という私の名前。
「すっごいね、月雨!おめでとう!」
「めちゃくちゃ頑張ってたもんね〜!」
日葵ちゃんも美夜ちゃんもそう言ってそばで喜んでくれる。
「……あ、ありがとう」
胸の奥が、じわじわと熱くなる。
嬉しい。
ずっと目標としていた場所。
嬉しい、はずなのに。
視線は、自然と2位の名前へ向かっていた。
双葉 天海。
胸の奥がざわつく。
私がずっと追い越したいと思っていた人。
「あのふたりよく一緒にいるもんね」
「マジか〜。え、付き合ってるってこと?」
「それはないんじゃない? 双葉くん、女の子と遊ぶけど、彼女は作らないって有名じゃん」
ざわざわと、雑音に混じって聞こえる周囲の声も、遠のいていく。
「日葵ちゃん、美夜ちゃん、ごめん!お昼、先に食べてて!」
「え、月雨!?」
私は、2人をおいて急いで教室へと向かう。
「か、神崎くんっ!」
教室の1番後ろの席で、友達と話している彼に声をかける。
「西木さん」
「あの、天海くんってどこにいるかな?!」



