「検査の時、なんか当てたり、飲んだりするんで、ちょっと心配なんですよね」

「確かにそうよね、私が健志に伝えておくわ」

「ありがとうございます」

みゆはほっと胸を撫で下ろした。

ゆかりは健志に電話を入れた。

「姉さん、どうしたの」

「みゆさんがおめでたかもしれないんですって、だから来週の検査を延ばして欲しいって相談受けたの、大丈夫よね」

健志は黙ったまま、答えなかった。

「ちょっと、健志、聞いてる?」

「うん、聞いてるよ」

健志の声のトーンが下がった。 

「何?問題あるの?」

「姉さん、出来れば妊娠は避けて欲しいかな」

「避けて欲しいって、妊娠してたらどうするのよ」

「みゆちゃんの身体を考えると、堕ろしたほうがいいんだけど」

「あんたね、何言ってるかわかってる」

「廉也に伝えておくべきだった」

「医者ならなんとかしなさいよ」