The previous night of the world revolution8~F.D.~

ーーーーー…楽しい楽しい避難訓練が終わり。

次々と医務室に運ばれる、軟弱者の帝国騎士達を、うきうきと横目に。

俺は意気揚々と、超ご機嫌に定時退社。

いやぁ。良い仕事をした日は、とっても気分が良いですね。

あまりに気分が良かったので、今日という日を祝して、デザートを買って帰ることにしました。

行きつけの『ブラック・カフェ』で、ブラックプリンをテイクアウト。

『frontier』の新曲を鼻歌で歌いながら、るんるんとカミーリア家の屋敷に帰宅した。

すると、屋敷の門のところで、とある女性と鉢合わせした。

「あれ、メリーディアさんじゃないですか」

「あ…。ルナニア…さん」

随分とラフな格好をしたメリーディアが、俺に気づいてこちらを振り向いた。

聞きました?俺、メリーディアにさん付けで呼ばれるようになったんですよ。

いやぁ。地道に信頼を築いた甲斐がありましたね。

内心ガッツポーズをしながら、にこやかにメリーディアに話しかけた。

「お帰りなさい。メリーディアさんもお出掛けしてたんですね」

「えぇ…。まぁね」

「失礼ですが、今日はどちらに?」

「ちょっと…マリーフィアに頼まれてね、ルティス帝国総合大学で、講義を受けてきたの」

…ってことは、また代返か。

「マリーフィアさん…。今日も講義に出なかったんですか?」

「えぇ…。今日は友達とランチに行く約束があるから、って…」

そんな理由で代返を頼むとは。

あいつ、もう大学やめたら?何の為に通ってんのか分からないじゃないか。

「そうだったんですか…。大変でしたね」

「まったくだわ…。でも、もう慣れてるから」

代返に慣れるな。

バレたらあんたもタダじゃ済まないだろうに、と思いつつ。

それでも、俺は微笑んでみせた。

「お疲れ様でした。…相変わらずメリーディアさんは優しいですね」

「…そんな…ことは…」

「妹思いの、優しい良いお姉さんですよ。メリーディアさんみたいな素敵なお姉さんがいて、マリーフィアさんは幸せですね」

とっても素敵な、「業務用」スマイルを浮かべ。

メリーディアを虜にした上で、俺は切り札とばかりに、先程買ってきた真っ黒プリンの紙袋を差し出した。

「これ、プリンなんですけど、お土産にと思って、買ってきたんです。メリーディアさんにもありますから、どうぞ」

「え…。私にもあるの?」

「当たり前じゃないですか。メリーディアさんは、俺の大切な家族ですからね」

「…」

メリーディアは、じっと俺の目を見つめた。

「…あなたくらいよ。この家で、そんなことを言うのは…」

「そうですか?でも、俺にとってはそうなんです」

「…お土産、ありがとう。有り難くいただくわ」

「はい、そうしてください」

いやはや。

すっかり俺にデレてくれて、ありがとうございます。