そういえばジッポを拾って渡した時に妙に焦っていた事を思い出す。

なーんだ、奥さんからのプレゼントで無くしたら怒られるから慌てただけかと納得して

ふふっそっか…。と、

少しだけ、寂しく感じながら思い出し笑いをする。







「そういえば政喜君とユキ、小さい頃から何回か会ってるけどユキ覚えてる?」

「………?」


首を小刻みに左右に振って全然というアピールをする。

「ほら、あそこの本家って男ばっかりだからユキが産まれた時とか親戚集まる時に、政喜君がそれはもうユキの跡ばっかりついて心配してくれてたんだよ?」

「ふーん?」

「それこそお婆ちゃんのお葬式の時にはユキがバイトしてるって言ったら何処のバイト先って聞いてきたり、この前だって送ってくれたでしょ?未だに心配なんじゃない?」

「政喜も、見た目あぁだけど優しいからな。葬式の時に何かあったらってユキの電話番号まで聞いてきたからな。ひゃっひゃっ!」




お父さんのいつもの独特の笑い声を聞きながら、色々な疑問だった事があっという間に解決して

なんだか結局まーちゃんの手の内で転がされていたんだなとまだまだ未熟な自分に笑える。


そりゃそうか。

バイト先も電話番号でさえも、本当は知ってたんだ。

なーんだ。