『今日は本当に駄目だ。マジでもう戻らないと。』
『だって…だって…。』
私とは裏腹に変わらないトーンで話すまーちゃんに、会えない現実を突きつけられてどんどん頭が冷静になって息も落ち着いてくる。
『じゃあ…私から電話かけていい！？いっぱいかけていい！？』
もうこれ以上は譲れない願いを電話を持つ手に力を込めて言う。
『まぁ…気が向いたら出るわ。またな。』
またな
無情にも、
もう耳からは何も聞こえていない。
スマホはとっくに待ち受け画面に戻っていて、
必死に探して歩いてきた歩道の脇道で足を止めて立ち止まる。
相変わらず激しく行き来する車の音が、やけに頭に響く。
本当は直ぐにでもかけ直したい。
でもきっとまーちゃんは出ないだろう。なんとなくそう思った。
またな、なんて。
本当にまたがあるの？
涙が出そうになりながらも、指を上下左右に動かして登録した。
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まーちゃん
連絡先保存しました。
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一つ増えた着信履歴
この着信はあとどれくらい
増えてくれるのだろうか。
ﾐｯﾁｰ
良太と付き合うことに
なったよん
ありがとね
