きっと多分、

長い甘い時間を過ごしていたと思うけど

唇が離れたらあっという間だったような気がした。






でも全然足りなくて、

まだまだ足りなくて、

まだまだしたくて、




もう一度おねだりしようとした私の言葉とは真逆の言葉をまーちゃんが言ったんだ。




「…そろそろ戻るぞ。」


「…え?」



体温までわかるあんなに近かった距離の筈が、突然ベッドから勢い良く降りられてさっきまでの余韻は跡形もなく消えて
布団からスーッとすきま風を感じ、身体がひんやりとしていくような感覚。



まるでふりだしに戻ったかのような私達の距離に、部屋のドアを開けて戻ろうと準備をするまーちゃんの姿に私はなんだか、取り残されたような気分でベッドから起き上がれないでいた。



「…………。」


「…………。」



さっきまでこの沈黙が凄くドキドキしたクセに、今度はなんだか凄くモヤモヤした感情になっていく。