海沿いの住宅、潮の匂いに寄せ返す波の音、潮風が痛いくらいに肌で感じる。 大人達の集いに飽きてしまった私は外にいると母親に告げ、遠くにいかない約束で少し汚れた外靴を履いて、並んだ車の間に隠れるようにしゃがみこむ。 手頃な大きさの石を見つけて、ガリガリ音をたてながらコンクリートに絵を描いていく。 丸からハート ハートから星 力加減がわかってきて手がのってきた私は可愛い女の子を描いていた。 近寄る足音にも気付かず。