「やった…、俺、自分から女の子と交換したの初めてです」
「……私も、だよ」
悪いひとじゃない。
普通の男の子で、普通の男子高校生。
高校生である自分は、こんな付き合いが普通だ。
当たり前だ、こうじゃなきゃだめなんだ。
シロちゃん、あなたはどうしてそうなっちゃったの。
「うわぁぁぁん…っ!」
そのとき、近くで幼い子供の泣いている声が聞こえた。
染み付いた癖のようなものから、私は咄嗟に声の場所へと走る。
「汐華さん…!」
「ごめんね、ちょっと待ってて…!」
「すぐ戻るから」と伝えたが、私を追いかけるように千石くんもついてきた。
「どうしたの?どうして泣いているの?」
「うわぁぁんっ、ママがいないの…!」
「ママとはぐれちゃったの…?」
「うん…っ」
「それは怖かったね。もう大丈夫、お姉ちゃんと一緒にお巡りさんのところにいこう」



