踏み込んだなら、最後。





「もう切ったよ。あんな奴らとも」


「…ほんとうに?」


「そこ疑うんだ。なら、ビンタ食らって発狂された話でもしてあげようか」



どうしてそんな付き合いばかりしていたのって、叱りたくなる。

ぜったい苦しいはずなのに、傷ついているはずなのに、千石くんは「もう慣れた」と言うのだ。


さみしいんだね、きみは。


私と同じ癖を持っていると、ここで初めて知った。

左肘をつい触ってしまう癖。



「でも今回ばかりは……父さん死ぬのかなって。さすがに思った」



だから泣いていたの…?


孤独を好む者はいても、孤独に耐えられる者は決していない。

なにかで見た名言だ。



「俺、…汐華さんみたいな人が家族だったらいいなって……ほんと思う」



千石くんらしくないところばかりを目にする日だ、今日は。

本当のあなたは今の姿だって、それだけは思うよ。