踏み込んだなら、最後。





「いつからバイトしてるの…?」


「…夏休み後半あたり」


「……そっか」



近くの遊歩道に気持ち程度として置かれたベンチ。

肩を並べて座って、隣でおにぎりに齧りつく千石くんのペースに合わせる。



「父親が過労でぶっ倒れた」


「…え…」


「今は入院。入院費用でいっぱいいっぱいだし、なにかしらの手当とか保険がおりたところでふつーに生活キツいんだよね」



貧乏だって言ったでしょ、俺の家───と。


持っていたアクセサリーや揃えていたマンガもぜんぶ売って、日中から夕方にかけてはガソリンスタンド。

深夜は倉庫の単発バイトで掛け持ちしていることを教えてくれた。


そんな今日はたまたま深夜のほうが休みだったため、こうしてゆっくりできると。