踏み込んだなら、最後。





「ふ、っ、しろ、ちゃ……っ」



なまえ呼ぶ暇があるなら集中しろよな───と、加速に歯車がかけられてゆく。


ここまで来たならさすがに覚悟してるだろ。

そのつもりできみも来たんじゃないのか。


そんなことを言われたような気がするけれど、私は夢みたいな今日に心も身体も委ねるだけで必死だった。



「ここがどんな場所か知ってる?」


「……うん」


「その上で来るって、ばかだよ」



ベッドに倒されるより、放られた。

覆い被さってきた両手が私を囲ってくる。


雰囲気程度に点けられている間接照明がシロちゃんの表情を魅せた。


狂いなく見下ろしてくる瞳は冷たくも、色情にまみれる甘さを持つ。



「言っただろ。…かぞく、やめたいって」



ここに来たということは。

それを分かっている上で、いま、キスを受け入れたということは。


私もかぞく、やめたいの。