踏み込んだなら、最後。





見るとするなら、俺に近づいてくる女の瞳を通してくらい。

それくらいが俺にはちょうどいいんだと思う。



「俺、汐華さんの彼氏…、ですよね…?」


「やめて…、その意味わからない敬語。思ってもないくせに」


「ふっ、これが俺の礼儀なんだよ」



でも俺が声かけると応えてくれるじゃん。

学校でも電話でもメールでも、構ってくれるだろ。


たぶんそれがダメなんだと思うから、責めるなら自分を責めて。



「私は…、ひまわり園の子供たちに優しくしてくれた、そんな千石くんが本物だと思ってるよ」



俺のせいで友達からも避けられてんのに。

俺のせいで今もそんな顔してんのに。


ばかみたいなこと、言ってくる。



「っ…、やめて、やだっ」


「じゃあ噛んで。舌でもなんでも、噛めばいいんだよ」


「ん…ッ」



タイプじゃない。

悪くはないけど、とくべつ魅力的とも言えない。


人目を惹く顔立ちをしてるわけじゃないし、だったらカラダ付きはいいのかって聞かれれば、そうでもない。


でも、なんか、クセになる。