「は、はい。余っているので、よかったどうぞ」

余り物だなんて言うつもりはなかったけれど、どうしても受け取ってほしくてつい口をついて出てしまった。

けれど大翔はそれで納得した様子で「ありがとう。食べさせてもらうよ」と、チョコレートを受け取ってくれた。

よかった……。
安堵したとき、エレベーターがチンッと音を立てて到着したのだった。