30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです

☆☆☆

「稲尾さん。昨日ペンを落としましたよね? すぐに届けなくてごめんなさい。私も仕事が立て込んでいたもので。それで、これとってもおいしいチョコレートなんですけど、よかったら食べてください」

よどみなく良い、拾ったペンと用意したチョコレートを手渡す美加。
「うん、いいんじゃない?」

そのシュミレーションを見て頷いている麻子。
今は始業時間の10分前。

仕事が始まる前に会社のロビーに麻子を呼び出したのは美加だった。

昨日の夜お菓子を購入したもののどうやって手渡すべきかわからず麻子に相談することにしたのだ。