30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです

そう思った美加はエレベーターのボタンを押そうと指を伸ばしたが麻子がそれを止めていた。

「なんで邪魔するの? 返しに行けばいいって言ったのは麻子でしょう?」
どうして邪魔されたのかわからずに表情を険しくする美加。

「なにもすぐに返す必要なんてないでしょう? 明日にすれば?」
「でも、すぐに使うかもしれないのに……」

美加は手の中のペンをジッと見つめる。
すぐに返した方がいいことはわかっている。

だけど明日に持ち越せば明日も大翔と会話できることになるのだ。
そう思うとすぐに行動に出ることができなかった。