30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです

恥ずかしくて顔が真っ赤になっている美加に対して麻子が「初やつよのぉ」と、茶化してくる。
「でもまぁ、少しでも接点を持てたのならよかったね? 力を使うのは次の機会で……」

と、途中まで言ったところで麻子は口を閉じて視線を廊下の奥へと移動させた。
つられるようにして顔を向けると、ちょうど営業部のドアがひらいて誰かが出てきたところだった。

誰かじゃない。
少し距離があってもそれが誰だかわかる。

花があって、キラキラとした光を身にまとっているように見えるのは紛れもなく大翔その人だ。