30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです

「もしかして、未経験?」
ズバリ質問されて美加はひきつり笑いを浮かべたまま動きを止めた。

ジワジワと顔が赤く染まっていき、最終的には悲鳴にならない悲鳴を上げてうつむいてしまった。

これでは麻子の質問に肯定しているも同然だった。

麻子もそう捉えたようで、顎に手を当てて「なるほど……」と、なにやら探偵ぶった表情を浮かべている。

誰も聞いていないとはいえ部署の中で交際経験ゼロ、未経験だとバラされて顔が沸騰しそうな美加はもはや顔をあげることすらできない。

「ちょっと、こっちに来て」
グロッキー状態の美加を強引に引きずって麻子は部屋を出たのだった。