30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです

おかしくなってしまったと思われるかもしれない。
そう考えた美加はコーヒーメーカーに視線を移した。

一か八かだ。
うまくいって!

そう心で念じて右手をコーヒーメーカーにかざす。
本当はこんなことしなくてもいいのだけれど、わかりやすくするためだ。

「止まれ」
美加がつぶやいた直後、今まで動いていたコーヒーメーカーがピタリと止まった。

「え、あれ? どうして?」
驚いた大翔がコーヒーメーカーと美加を交互に見ている。

「大翔さん、私まだ経験がないって言いましたよね?」