30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです

すぐに逃げ出そうとしたけれど、足止めをくらってしまってしどろもどろになってしまう。
なにせ

今まで恋愛経験ゼロなのだ。
憧れの人に声をかけられてもどう反応すればいいかわからないのも仕方ない。

「これ、僕が飲んでもいいかな?」
カップを持ち上げてそう聞かれて美加の顔にボッと火がついた。

だってそのカップが美加が使っているものだ。
それを使って飲むということは……間接キス!

「ご、ご自由にどうぞ!」
美加は叫ぶようにそう答えると、給湯室から逃げ出してきてしまったのだった。